2016年01月28日
日本に大昔から言
伝承の形で伝わってきている。
日本の鬼には、二つのタイプがある。
一つは、夜の都大路を様々な鬼たちが闊歩する百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)の話が、
『宇治拾遺物語』などに出てくる。
こんな鬼たちは、亡霊的存在といえるが、
説話物語などで人里を離れた山の中などに存在していると言われている鬼たちは、
現実的存在と捉えられる。
中国で「鬼」と言えば、亡霊的存在となり、それも「死神」を意味する。
そのため尖閣諸島問題などで使われたりする「日本鬼子」という表現は、
最大の侮辱の言葉らしい。
日本では、徹底した人物を『~の鬼』という言葉が使われたりしている関係か、
意味されているほどの侮辱を感じない。
平安時代、鬼との関連で語られる人物に、紀長谷雄(きのはせお)なる人物がいる。
右大臣菅原道真の一番弟子の立場にあった。
その道真は太宰府に左遷されたが、長谷雄は、その後も要職に就いた。
特徴的なのは、この人物、鬼と双六をする話がある。
双六と言っても、源氏物語にも登場する駆け引きや能力が試される古代双六。
この鬼と徹夜で戦った話が『今昔物語集』にある。
勝利を収め、うら若き女性を得る話となるが、
この話のように
決まって「鬼」は財を持ち、贅(ぜい)の限りを尽くしているとされる。
「オニ」は、「お荷(=宝物)」ともいわれる。
鬼に打ち克って、福を得るという構図。
節分の豆まきのときに、
「鬼はウチ」「福はソト」と声を出す漁師町があるという。
その意味は、
「お荷(=獲物)は内」、「(風が)吹くは(縁起が悪いので、どこか遠い)外」
という縁起かつぎの意味が込められているという。
今の世の中「オニはウチ、フクはソト」。
断捨離が叫ばれるほど荷物が溢れ「お荷はウチ」。
外には花粉が飛び、PM2,5、そして黄砂が舞っていて、「吹くはソト」。